[兵站戦線2673]

homefrontとは「銃後」という意味で、あえていえば「兵站」と云いましょうか。小島祝平氏曰く、川柳は正直に詠む。ええ恰好しよ、思うのは川柳やない。川柳のいのちは、真実(ほんま)や、ほんまのところにユーモアが出る。うそはあかん。短歌ブログ;http://ameblo.jp/oyajipoem 俳句ブログ;http://blog.livedoor.jp/kigai_bow/

2013-11-01から1ヶ月間の記事一覧

半日の視点を変えるバス路線

だしぬけに紅葉となるや飛び急ぐ 森の底抜けて景色をつかめない 散る紅葉散らぬ花とて選ばれる 俳句には真似のできない裏話 短歌では言わずもがなの出る始末 べそかいてそれでも政治の綱渡り 平穏の二文字仲々味がある 四季の色重ねあわせてひとつ道 旅人の…

予感モノ・コトバ

柳俳短離れていない横並び 枯れ枝になっていないか下り坂 齢加え人間力の深まらぬ 松の木は多少の風に振れません 寒かろと南京櫨の葉色見る 石の街飛ばされそうな家ばかり ひとりでに始まる予感モノ・コトバ 色揚げにこころ傾れる古写真 センセイの手から離…

飽きるまで詩型に蹤いて歩きたい

求道者と手筈通りの一日目 われわれに魔法の杖はありえない 傷口が広がるまえに朱を入れる 羊雲連れ立つ旅の初しぐれ 草も木も深呼吸して風を待つ 街角の信号機には休みない どこまでも天の住み処を探りたい 一片の抑止力血に負けている 飼われても牛は自由…

枇杷の花

枇杷の花から始まって夏を待つ 初花に冬の記憶の伝わりて 蜜蜂の働かされる一事実 人間に振り回されて益と害 虫は虫の本性で生き種の保存 年金は削られ税もむしられる とりあえず死んだばかりを包みます 死者はまだ儀式を終えて霊柩車 総入れ歯してから歌が…

川柳の周辺

俳句を創ってゐる者の習性として時の移りをつまりは季節を、歳時記とともに感じようとして実感との差異を、いかに縮めようとするかに腐心する。現実は新暦に生きながら、旧暦のニュアンスを色濃く反映させる体験を具象化する。11月の下旬に入っているのに…

麺麭と酪遅め兼食あさと昼

友からのあんぴかくにんまだ逃げぬ 一念が風に振れても竹となる あと少し人のよだれが止まらない 生き延びて罰だけが待つ新世界 戦争に敗けたものだけにある戦後 飯食わず旗も上げずに新嘗祭 生活の時間わずかにずれている 傾いた大地に息を吹き込もう 麺麭…

まだ醒めぬ夢の続きがあるような

ひと干されレイテにつなぐ戦隊旗 オスプレイ棘を外して深呼吸 青春を問う暇もなく子ができて まだ醒めぬ夢の続きがあるような 決めることできない人と思われた 胸の中くすぶっている恋ごころ 遮断機はもう上がってる道ふたつ 饒舌に飽きて緘黙ひとりごと 鳴…

麦畑麦を作らずなんの種

戦争を乗り越えてゆく人の舟 麦畑麦を作らずなんの種 こだわってこの町ひとに目覚めたり 革命家地に足つけぬ嘘の人 次の世は女に生まれ女好き 修羅さんと遊び足らんで次の世も 弟の飼う犬すでに家の守 核に酔い核を放さぬ依存症 一本の樹にある芯は死んでいる…

窓暮れてひがしの土手に冬茜

悪戯が大好きという変わり種 なにはとも土砂降り天地底を撃て 恋心しんからさめてにこやかに 北窓に芝居気のある鯨雲 窓暮れてひがしの土手に冬茜 遅れても支える骨と分の意地 遅駈けで来て一枚の油紙 丸みある茶碗がなぜか作れない 丸だけの茶碗のどこが面…

海か天空か余白の頼りなさ

発狂と云って病気を許しあい 治らぬもなだめすかして籠を出る 花道をたましいに乗り帰る人 毒草と知り毒草に咲く誇り 風掴む人間が風の邪魔 海か天空か余白の頼りなさ なじみたい人にもなじみたい人に 散閑居ペンでは食えぬ飾りペン 神仏に救えというは門違…

聞くからに冬のあじさい怖いもの

聞くからに冬のあじさい怖いもの 身は一つ肢は四本のままがいい どこからも苦情の来ない俺であり 心配はされてもしない俺も居る 病院が世間のすべて寂しいな 朝寝した理由の中にはいらない 酒忘れ朝の茶飲みも忘れたり 厠では雨音しきり部屋で虫 江戸長屋壁…

演じない演技にしても評価する

知らんひとG線上のかたつむり 窓の外どきどきすると線になる 私の場所と山向こうにいたはずの君 巡り合いというなら観客どこだ 演じない演技にしても評価する そこにいる者は観客猫でさえ 廃村の無主の家にも向日葵よ 記念碑にぼやき・嘆きは似合わない 拾…

同じ海ふる里にするみなに幸

小降りの雨が冬手なずける ゲルニカを思わなくても足りること にほんじん与えた過去と受けた過去 戦争の起こしたことと人の傷 紺碧も鈍もふる里美しい 同じ海ふる里にするみなに幸 入れ替わりめでたいことを食い飽きて 痛められこころ疲れて未練断つ あなた…

久しぶりに十四字詩を作りました。

なにごとか起こりつつある季語の外 お揃いで目的地とは違う道 きどらずに脇道の花拾いあう 真っ直ぐに行っても山や崖がある 影法師踏む猫の挨拶 銀河を渡る弥陀の韜晦 断ち切るこころ風の感傷 隣の坊主木魚ひた打つ 雑念払い風に乗る夢 年金値下げ忘れさせな…

山本がまたまた明かす国の恥

夥しい産毛神さまのおやつだ 馴れきった傘のまぼろし消えてゆく 極東を出ては入るの繰り返し 山本がまたまた明かす国の恥 引き潮に曳かれていった人と家 青空を信じきれないこの世界 そんなにも侵略されてみたいのか 神風は吹かない独りよがりです 強がりは…

モーリタニアの蛸酢和え

紅葉落ち工事現場が現れる 韃靼の海峡走る地下鉄路 記憶とは夢のあわいの結び合い 兵営は道から遠く芝青い 戦犯と云って日本を支配する 女子会の乾杯の後愚痴あふれ 運ばれてモーリタニアの蛸酢和え 黄と錆と同じ紅葉にけじめあり 存念のおもちゃ箱から火を…

脇道は逸れているから面白い

炎熱も皇帝ダリア雪に敗け 白菜の尻を洗うて日に晒す 脇道は逸れているから面白い 脇道が近道なんかありえない 本題は一言で済み裏話 未練など垂直跳びで消えてゆく 面白い過去の順列組合せ 悩ましい三角法のお付き合い 弱虫であること信じ儘を往く 魂の現在…

なんでもありの世界戦

人間の自由たること軸とする 保守であるその在り方を見直せば 米国の茶会のぶざままた他山 保守であるその本質に文化あり 政権の批判ばかりが時事じゃない 武器技術なんでもありの世界戦 仕舞い湯の湯を流し切り今日始末 内向きの原則棄てる正念場 四方拝伝…

澄みわたる冬 声がない

オン読みのことばはずして酔うこころ 独り処(ひとりが)に澄みわたる冬 声がない 白という汚れの目立つ色遣い 世界に向けるこころのかたち無垢として 殺戮の記念碑として石の魚 下剋上おれは沈潜しておろう 川柳に手柄持たせるこころ映え 買えなくてまず図…

恋と云う言葉は素手に持っている

零下二度ひとふゆ一度あるやなし 冬めくもTシャツだけで窓のそば 寒くても滅多に雪の降らぬ土地 立冬の旗を立てたいかはやなぎ 酒ばかり酒に纏われ骨融ける いつの日か別れか破滅酒なれば わが足袋は酒と別れて朝を踏む 人に似る時の粒子の貫いて 夏冬も変…

にっぽんの旗日の丸と旭日旗

特別の待遇やから無いと拗ね 半島は半島人でやればいい にっぽんに居て日本史と世界史と にっぽんの旗日の丸と旭日旗 さざめいていても誘えぬ恋もある この人がラストチャンスと思えない 正常な老化で痛い病あり デイケアが真ん中にあるウィークデイ 間に合…

近代をやり直そうぜ初めから

張り切って庭を覗けば猫の糞 逆巻いてくる風もない冬支度 柳多留身丈に掴み三度読む 近代をやり直そうぜ初めから 個々人の自由自律を追い求め 生きる意味ほんものが欲し助け合う 素朴なナショナリズムの表現として、私は「国土再生」ということを提案したい…

カーキ色着るな着せまいもう二度と

マッチ箱積んで重ねて山の街 カーキ色着るな着せまいもう二度と ふだん着の国防意識あればこそ 折れぬ葦ぐいぐい伸びる春が来る

信じよう粘菌も夜を営む

11月川柳マガジン課題 ・魔法 ・前句「深呼吸して出番待ってる」:2 ・マドンナ:2 ・刀:2 ・気儘 ・指紋:3 ・笑いのある川柳:2 ・時事川柳:2 ・印象吟:2 鵺はいま住みにくいから街を出る 妖(あやかし)は凡人には見えぬ者 妖と生きてきたの…

ふっと湧くことばの端に他人の顔

11月川柳マガジン課題 ・魔法 ・前句「深呼吸して出番待ってる」:2 ・マドンナ:2 ・刀:2 ・気儘 ・指紋:3 ・笑いのある川柳:2 ・時事川柳:2 ・印象吟:2 現役の気分はあるよ恋なんて 月よりの使者銀幕を出できたれ ふっと湧くことばの端に他…

夕映えは駐めた車の中ばかり

魂返し。魂還し。 乱れた魂の緒を解き、迷える魂・魄を天地の宮に返すこと。 別名:ココストの道。 ヰチヂがこの方法論を完成する。 この功により、ココトムスビ、またカスガドノという名を賜り、中国の春日県の守となる。 アマテルの命により、ツハモノヌシ…

詩になるかカビにも熱い思いやり

11月川柳マガジン課題 ・魔法 ・前句「深呼吸して出番待ってる」:2 ・マドンナ:2 ・刀:2 ・気儘 ・指紋:3 ・笑いのある川柳:2 ・時事川柳:2 ・印象吟:2 すわれたる闇の空気が雨のつぶ たけの身のかるさを腰がさみしがる 腕さびて刀の反りが…

いいのこすがんはそまつながんでよい

11月川柳マガジン課題 ・魔法 ・前句「深呼吸して出番待ってる」:2 ・マドンナ:2 ・刀:2 ・気儘 ・指紋:3 ・笑いのある川柳:2 ・時事川柳:2 ・印象吟:2 綿津見の貌も笑っているようだ お日さまをさえぎり仕事しない雲 蟷螂も鉄のフェンスに…

同列の短詩同列の人格

11月川柳マガジン課題 ・魔法 ・前句「深呼吸して出番待ってる」:2 ・マドンナ:2 ・刀:2 ・気儘 ・指紋:3 ・笑いのある川柳:2 ・時事川柳:2 ・印象吟:2 ポケットの砂も洗うて夏の果て 天破れ傘も剝がれて手にしずく 暖流に揺られて人は眠ら…

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