[兵站戦線2673]

homefrontとは「銃後」という意味で、あえていえば「兵站」と云いましょうか。小島祝平氏曰く、川柳は正直に詠む。ええ恰好しよ、思うのは川柳やない。川柳のいのちは、真実(ほんま)や、ほんまのところにユーモアが出る。うそはあかん。短歌ブログ;http://ameblo.jp/oyajipoem 俳句ブログ;http://blog.livedoor.jp/kigai_bow/

2013-01-01から1年間の記事一覧

澄みわたる冬 声がない

オン読みのことばはずして酔うこころ 独り処(ひとりが)に澄みわたる冬 声がない 白という汚れの目立つ色遣い 世界に向けるこころのかたち無垢として 殺戮の記念碑として石の魚 下剋上おれは沈潜しておろう 川柳に手柄持たせるこころ映え 買えなくてまず図…

恋と云う言葉は素手に持っている

零下二度ひとふゆ一度あるやなし 冬めくもTシャツだけで窓のそば 寒くても滅多に雪の降らぬ土地 立冬の旗を立てたいかはやなぎ 酒ばかり酒に纏われ骨融ける いつの日か別れか破滅酒なれば わが足袋は酒と別れて朝を踏む 人に似る時の粒子の貫いて 夏冬も変…

にっぽんの旗日の丸と旭日旗

特別の待遇やから無いと拗ね 半島は半島人でやればいい にっぽんに居て日本史と世界史と にっぽんの旗日の丸と旭日旗 さざめいていても誘えぬ恋もある この人がラストチャンスと思えない 正常な老化で痛い病あり デイケアが真ん中にあるウィークデイ 間に合…

近代をやり直そうぜ初めから

張り切って庭を覗けば猫の糞 逆巻いてくる風もない冬支度 柳多留身丈に掴み三度読む 近代をやり直そうぜ初めから 個々人の自由自律を追い求め 生きる意味ほんものが欲し助け合う 素朴なナショナリズムの表現として、私は「国土再生」ということを提案したい…

カーキ色着るな着せまいもう二度と

マッチ箱積んで重ねて山の街 カーキ色着るな着せまいもう二度と ふだん着の国防意識あればこそ 折れぬ葦ぐいぐい伸びる春が来る

信じよう粘菌も夜を営む

11月川柳マガジン課題 ・魔法 ・前句「深呼吸して出番待ってる」:2 ・マドンナ:2 ・刀:2 ・気儘 ・指紋:3 ・笑いのある川柳:2 ・時事川柳:2 ・印象吟:2 鵺はいま住みにくいから街を出る 妖(あやかし)は凡人には見えぬ者 妖と生きてきたの…

ふっと湧くことばの端に他人の顔

11月川柳マガジン課題 ・魔法 ・前句「深呼吸して出番待ってる」:2 ・マドンナ:2 ・刀:2 ・気儘 ・指紋:3 ・笑いのある川柳:2 ・時事川柳:2 ・印象吟:2 現役の気分はあるよ恋なんて 月よりの使者銀幕を出できたれ ふっと湧くことばの端に他…

夕映えは駐めた車の中ばかり

魂返し。魂還し。 乱れた魂の緒を解き、迷える魂・魄を天地の宮に返すこと。 別名:ココストの道。 ヰチヂがこの方法論を完成する。 この功により、ココトムスビ、またカスガドノという名を賜り、中国の春日県の守となる。 アマテルの命により、ツハモノヌシ…

詩になるかカビにも熱い思いやり

11月川柳マガジン課題 ・魔法 ・前句「深呼吸して出番待ってる」:2 ・マドンナ:2 ・刀:2 ・気儘 ・指紋:3 ・笑いのある川柳:2 ・時事川柳:2 ・印象吟:2 すわれたる闇の空気が雨のつぶ たけの身のかるさを腰がさみしがる 腕さびて刀の反りが…

いいのこすがんはそまつながんでよい

11月川柳マガジン課題 ・魔法 ・前句「深呼吸して出番待ってる」:2 ・マドンナ:2 ・刀:2 ・気儘 ・指紋:3 ・笑いのある川柳:2 ・時事川柳:2 ・印象吟:2 綿津見の貌も笑っているようだ お日さまをさえぎり仕事しない雲 蟷螂も鉄のフェンスに…

同列の短詩同列の人格

11月川柳マガジン課題 ・魔法 ・前句「深呼吸して出番待ってる」:2 ・マドンナ:2 ・刀:2 ・気儘 ・指紋:3 ・笑いのある川柳:2 ・時事川柳:2 ・印象吟:2 ポケットの砂も洗うて夏の果て 天破れ傘も剝がれて手にしずく 暖流に揺られて人は眠ら…

デフレ沼後の祭りの魔法陣

11月川柳マガジン課題 ・魔法 ・前句「深呼吸して出番待ってる」:2 ・マドンナ:2 ・刀:2 ・気儘 ・指紋:3 ・笑いのある川柳:2 ・時事川柳:2 ・印象吟:2 初舞台汗の匂いの退いて行く 酒のこと心に尖る棘の殖ゆ 酒に厭き煩わしいと思うたり デ…

子沢山

11月川柳マガジン課題 ・魔法 ・前句「深呼吸して出番待ってる」:2 ・マドンナ:2 ・刀:2 ・気儘 ・指紋:3 ・笑いのある川柳:2 ・時事川柳:2 ・印象吟:2 夕映えの扉に浮いている指紋 どっちみち笑うしかない子沢山

勢いが付きすぎている汚染水

11月川柳マガジン課題 ・魔法 ・前句「深呼吸して出番待ってる」:2 ・マドンナ:2 ・刀:2 ・気儘 ・指紋:3 ・笑いのある川柳:2 ・時事川柳:2 ・印象吟:2 ふみ一つ胸の熾火に焼べてみる 軽やかにピアニッシモの風の中 嫌いでも好きでも気分乗…

めでたさにとんぼ結んで飛ばしたり

11月川柳マガジン課題 ・魔法 ・前句「深呼吸して出番待ってる」:2 ・マドンナ:2 ・刀:2 ・気儘 ・指紋:3 ・笑いのある川柳:2 ・時事川柳:2 ・印象吟:2 観音が稚児に変じて戸を叩く やまんばの浅茅が原に星の露 千二百円牛を重ねて御用達 伐…

享楽と最も遠い鶴の詩

柊の花さき香 ふゆを待て ひっついてみたかったもの鶴彬 感状を 日本人士の名で与え 享楽と最も遠い鶴の詩 川柳に向いて人間ほとばしる 坑道のカナリアとして葬られ 屈服と死出の喘ぎをふさがれる 笑いたいあけっぴろげに口開けて 善人の顔悪人の仕事する ど…

大滝よもいっぺん来い空は蒼

ひだまりに鵺(ぬえ)が嗤って眼をつぶる 歳月の波に鞣されしゃれこうべ 欲望も倦怠も撃つ世のはずみ おもちゃ箱これぞ日本の安っぽさ ままごとの積み木崩して民主主義 わだかまる兵士の嘆きひとの声 よかよかて言わんばここば乗り切れぬ とびきりの心配性を…

放射能よってたかって飯の種

微温的ユダの取り巻き草枯らす 五七五で飯を食うなと云える人 変人は喇叭を捧げ禿の髪 放射能よってたかって飯の種 こんにちはオリンピックのおもてなし 野鳥保護削った反古を返さない やっつけに俺もさせろと犬は吠え おおさかの夕日は川の色を消す 放置さ…

みぎひだり存分に枯れ泳ぎたい

点滴はとろとろとろと輪の中に ぼとぼっと隣の人のしぐれなり 酒止めて病気が消えた訳ぢゃない 思い出の中なん人が過ぎて去く 体裁を頭に附けて顔が透け みぎひだり存分に枯れ泳ぎたい 逆ろうて爬虫類から鳥の羽 うち連れて浪花の水の黒い味 酒無くて身も世…

とりたてて無駄口のない夜の雨

大喜利が山から下りて雨を打つ 一本の日の射し込んで恋灯り 一点を見ず捨石を置いて行く 南北の上等加減自在流 番傘は張り替えられてよく廻る スーさんのハンカチそっと貰い受け 川柳の初日毎日繰り返す 動かないごみをあまめと見間違う ゴキブリは生きる化…

ふる疵が雨を知らせて雪知らす

みのむしの尿におぼれる冬木立 荒神輿悪党づらが棒の鼻 ルビ組んでみじっかい目で追い立てる 見えぼうは恩に着せないうるさがり えら張りをみそにできずに削る奴 いまの主夫味噌用人の成れの果て いさぎよく人には見せぬ向う疵 ふる疵が雨を知らせて雪知らす…

愛しくていとしくてならぬ街角

安定があって希望が見いだせる でも希望の見えぬ安定ってなに? 大津波目の前に逃げるしかない 目に映るふるさと襲う惨状を 高台に町をそっくり移すべき 愛しくていとしくてならぬ街角 いつだって慣らしの時間このからだ 秋風を肌で味わうこの季節 根性が多…

ささやかにベンチ置かれた停留所

その時にうたえることを訴える ひきかえす手立てはなくて反り返る このみちを知ったからには放さない 回り道いっぱいしたよそう思う 若さには蹤いて行けないわが時間 まるで置き忘れられてる黒い傘 ささやかにベンチ置かれた停留所 見果てない夢という沖縄の…

心飾って待たなくていい晴れがまし

ボサノヴァの新しい歌聞かせてよ 降りだした雪の下にはわれは居ず きみみずやさびしむ額灰になるまえ たまたまのいつの日までが今日だった 心飾って待たなくていい晴れがまし 佇ちつくすここは季節のない通路 左目の緑内障も灰一部 カジュアルに生まれる時代…

鍵のない傘立て傘もないままに

朝からの雨が日照雨に変わるあい 東には日が西ぞらに雨曇り 信じれば信じたくない戻り雨 降らないで傘持たないで戻り雨 日に当たる片喰ぱんと開いてる かたかげの酢漿草咲こか決めかねて 脳髄の記憶の底ににごりかす 往来の禁煙江戸が先をゆく 帰り来て空気…

妻の居ぬ男となりて詩に目覚む

飲み込んでしまった小骨胃を突つく 仕舞いまで聞けよ街には放射能 脳みその放電やろか痛いこと 左目が先に見えなくなるだろう どうしても思い出せない見えぬ者 足掻いても一日づつを脱いでゆく 飲む酒の理由を探す依存症 じくじくと入れ歯のはずが痛みだす …

追いかけっこ思いがけない人に遇う

晩の秋すだれの指に風のくる 喪の家に平凡な日々癒す日々 ちちははの身の丈に合うとき遣い 昭和史は昭和の人が死ぬるまで 追いかけっこ思いがけない人に遇う 日本地図どこにでもある支那の土地 素っぴんの雨は土砂降り人殺し 動くから肝の硬化のわからなさ …

遠からず夢焼けに逢うふゆが来る

遠からず夢焼けに逢うふゆが来る 脳髄の痛み遠のく小春かな 酒のこと懐かしむ色々ありて 酒で子を捨てたも同じ耻拾う 面に吹く風は縹渺哭くばかり 暮れ落ちて凪に振れあう虫の音よ ここだけの眺め自慢が多すぎる 入り海に小湊ならぶ五島灘 たちのぼる雲気の…

地べたより犬も見晴らしいいが好き

うずくまってばかりだと引き倒される 足が今欠けておっても歩いた気 借り物の犬に餡パンやっている 地べたより犬も見晴らしいいが好き コーラスであっても個性光りだす うざいわとかつてわが子にほざかれて 薄ぺらな政治家うしろきず見えぬ 母のうつ支えてき…

偉ぶって日本の党で井の蛙

喧騒に心の貧を垣間見る 人生の意味するところ死後の草 偉ぶって日本の党で井の蛙 正面を向いて喋れという鯰 しなかんに土下座している保守の左派 ただ網を絞ればいいと無責任 長崎もん季節を問わず花火上げ それぞれの晴の催事のあと花火 定番の花火がなけ…

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