[兵站戦線2673]

homefrontとは「銃後」という意味で、あえていえば「兵站」と云いましょうか。小島祝平氏曰く、川柳は正直に詠む。ええ恰好しよ、思うのは川柳やない。川柳のいのちは、真実(ほんま)や、ほんまのところにユーモアが出る。うそはあかん。短歌ブログ;http://ameblo.jp/oyajipoem 俳句ブログ;http://blog.livedoor.jp/kigai_bow/

3月川柳(2)

3/09・・・6

セキュリティー戦う前に立ち上げる

実戦は初期化できないアホウドリ

挑発に乗らぬ戦い武者震い

本能寺敵は裏庭いざ勝負

三方がみな戦いの敵となる

これ見よと戦う狼煙上げている

 

3/10・・・12

はたりここ夢の断片繋ぎあう

缶蹴りの鬼になってた午後の露地

缶蹴られ数を数える百いくつ

一番に見つけられたら鬼になる

探してる途中で缶蹴り振り出しに

友達の後ろ姿に銃を向け

モニターは尺余の中に地球あり

空の青 死をも溶かして虚無抱く

戦場は庭先でなく家の中

人間の府であり肺腑なり

今日は春先の風なりどっと来る

眠ってた肝臓の心舐(ねぶ)ってみ

 

3/11・・・9

音もなく霾(つちふ)る夜に言挙げを

 

支那の民もろとも捨てなその国を

 

言挙げて新たな国を興されよ

 

頬の線たくましくあれ息子たち

しなやかに雌しべ雄しべを営めよ

ただ生きるそれだけの生と思うな

一竿を垂れ春潮に心置く

やまと歌こころを種に世に茂る

面忘れ我れはしかねつ君思う

 

3/12・・・16

考える蛙のうたに耳を貸す

なまなかに子に許されてみたいもの

沖縄を徘徊するもの人民報

一本のふんどしを見よサラは無い

三月の中にも秋の虫の声

 

健康にかまけて大事忘れ果つ

他人事と思わずやれよPの世話

投資家のターゲット衝く勘どころ

大鎧いつの時代の文化財

寒くても窓を開ければ春はここ

春なればつい一日を窓開けて

 

芽柳を育みている枯れ葉あり

芽吹きつつやっと葉が散る柳かな

身の回り整理もしかね苦笑い

 

灰皿とマウスの場所をとり合わせ

本広げキーボード場所固定する

 

3/13・・・6

孫がいて子もいて宝ほかになし

居住まいを正されわれとあと一人

通り雨花は笑って流れゆく

蚊も太り血を吸いに来て叩かれる

花は飛び散って今をとどむる

   名こそ惜しめというが花なり

 

3/14・・・5

うつろいは四季のほかにも人の性

風があり人生があり夢帰る

屋根板をはがして椿ほれぼれと

高き山山脈の中にあってこそ

平民というが日本に貴賎なし

 

3/15・・・9

噛みたくて路上にバラを手で拉く(しだく)

 

手を挙げよ醒めきった夜振り向かず

歯を鳴らせ通りすがりのジャコバン派

川魚を手で捌く目で捌く人

うつむいて鋼鉄の視線地を掘る

物語り一片の薔薇土に撒く

青年は敗北の歌丸のまま

 

春の風邪大したことはないはずの

ひとまずは暖めておりパンも食べ

 

3/16・・・5

ブランコをこぐときいつも雲がわく

シャボン玉消えなかったらどうなるの

夕焼けの中に夕陽を探してる

闇の中星を見つけて黒い星

タンポポや冬が混ざって春がいて

3/17・・・5

一切の誇張を捨てて人は立つ

よべまでのアバンチュールを泣いている

出頭の朝餉は足りて髭を剃る

別名で手紙を送る四畳半

いつの間にフェイスブックは俺を捨て

 

3/18・・・5

くずれ墜つ天地のまなか爆心地

線路沿い金いろの麦波うねる

もちかえる地球のような風船を

この一個それだけに在り椿かな

嘘だろう吐きつくしたと哭いている

3/19・・・5

まっしろな釉を選んで茶と掛けた

肴が華葉っぱ一枚出しゃばらず

踏ん切りをつけて底部の台を切る

薔薇いろの果実をえがくつるべ井戸

すでにして言葉のたてがみ凍結す

 

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