[兵站戦線2673]

homefrontとは「銃後」という意味で、あえていえば「兵站」と云いましょうか。小島祝平氏曰く、川柳は正直に詠む。ええ恰好しよ、思うのは川柳やない。川柳のいのちは、真実(ほんま)や、ほんまのところにユーモアが出る。うそはあかん。短歌ブログ;http://ameblo.jp/oyajipoem 俳句ブログ;http://blog.livedoor.jp/kigai_bow/

3月川柳(3)

3/20・・・5

電網の中に拡がる新世界

現実の秋葉原なぞ祝祭場

日常の太鼓をたたく声もなく

 

都心志向の狸いて歩かせよ

人間がいて狸おり蚊帳の中

 

3/21・・・6

心得て不要の品の多いこと

モノ借りて物を作りて捨てられず

電脳に時を編ませるブログかな

電網のクラウド雲に遺産あり

精神の自由を欲し保守という

自由こそ保守の連帯もりあげる

 

3/22・・・5

図らずも彼氏宣言春はやて

ブラックミュージック聴くと眠くなる

働かずサンタ・マリアの膝で寝る

しんとして彼女宣言待ちいたり

さりながら自ら問うて腕を組む

 

3/23・・・5

遠澄みの心のひだに青霞み

白ボケる額のために幕を引く

黄の薔薇や男の世界趣味じゃない

それだけの結果平等穴の底

どれだけの成果配分ひとり勝ち

 

3/24・・・6

花散らす目白群がる八分咲き

眠くなる日課となりてかたつむり

誰かへと呼びかけながら飲酒癖

桜靄瓦に移り銀鼠

 

幻想のカダフィの天下今壊れ

カダフィの傭兵帰るやクーデター

 

3/25・・・5

貶めた己が姿に花散らす

あふるまま心配ばかりする人よ

ありふれた季節の中の耶蘇の寺

しゃれこうべ胸に抱けり春ほとり

眼の前に題目並べうたづくり

 

3/26・・・7

花の死を待つわたくしがここにいる

街角の隣に森が控え居る

てのひらのうえに無数の点があり

その人の住まぬ句の中われが住む

舟虫よ岩の形で動く岩

ふと黙り心音を聞く夜の口

胸の中サソリ一匹居座りて

 

3/27・・・7

原潜を持ってみたいとねだり癖

テロリストの父はアラーに背かれず【そむかれず】

日本人の弱さが作る逆差別

テロリストアラーの道に背きつつ

ひょっとして春は身ぐるみ脱いでいる

雨空を引き裂いて飛ぶ戦闘機

春あかね出戻り娘顔を出す

 

3/28・・・5

晴れ空に尻切れトンボの飛行雲

うそ寒の春を追いだし夏威張る

満開の花は散らされ溝に積む

はつ夏の汗を絞って髪を刈る

苦労性笠の雪など振り払え

17:00チャイムとともに父帰る

 

3/29・・・5

騙されるあけっぴろげの裏話

 

ふるさとは話すべからず捨ててきた

このここを古里として思いこむ

せめてもと死し去る時はあれに埋め

ふるさとは墓のみありて防護服

 

3/30・・・7

新しい季節騒がす蝉の声

山を出で托鉢をする小鶯

 

穴を出で生きとし生きる虫の春

花宴人に疲れて帰りくる

旭日旗黒く染め変え攻めるのみ

前衛を気取って穿ち穿たれる

詩を追うな穿ちの中に柳あり

 

3/31・・・6

電線も重たい割に風に揺れ

春蝉よ黙っておればいいものを

変態のごっこが過ぎて人変わり

成り果ててはんぶんふたつひとりづつ

人来ずも独りになってわかるもの

以上

平成25年三月川柳236句

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