浴後即吟
褌の紐が短くなった腹
この腹の臓腑にまわりゆく脂肪
追い焚きをして陰嚢をよう洗え
陰茎を扱いて洗う皮めくる
褌の紐で二段になった腹
風呂あがり一杯の水くすり飲む
ただあれば秋のふらここゆれ揺れて
かぎりなく問ひかけし夏いきしひと
まむかつて覚悟かたらず今のあき
なつがれの天穹さるくたまもあれ
この風はしかと寒露のひやつこさ
眼のさきに鮎のしぶきが蝉をけす
しやぎり果てしみわたる秋まちにのに
街のうえ銀の灰あを霧ざれる
つぶやいておもひうづめよもみじ掻く