捨てられる昆布の中の普遍性
生きてるか己に声をかけてゐた
あぢさゐの枯れてぞ今は駆ける夢
秋はらりひらり紅葉の空気音
幸せの見本が吠える新所帯
いつしか月のひかりの酒場酌み交わす
いきものの月浮く角の先の先
見ず知らず人の頭に月は照る
横向きに立ち呑む酒は話好き
さてなんじゃもんじゃの手引き星野空
昼食のカレー家まで蹤いてくる
捨てられる昆布の中の普遍性
観世音涙も乾く地下の嘘
アルバムを取り出している思い出す
上向いて沈む夕日の税論議
ありふれた気遣いをして嫌われる
夕焼けの中で影だけ伸びている
雑踏によそ見している俺がいる
宵闇に街灯ひとつ誰の影