要注意!
もう、どんどん数が増えます。止まりません。怖いです。
牧野先生は、
”それでも綺麗な花が咲くとか見事な実がなるとかすればともかくだが、花も実もなんら観るに足らないヤクザものだから仕方ない。こんな草を負いこんだら災難だ。………。”
とお書きになっていますが、私は、この花に関しては、けっこう”いけてる”と思っています。
写真の花色は白ですが、薄い青色のものもあります。ジャガイモの花にも似ていますね。
そうそう、ワルナスビ(悪茄子)は、トマトに似た小さなかわいらしい実をつけます。でも、食べられません。というより、食べてはいけません。
”毒”ですから。
ワルナスビ(悪茄子)は実だけではなく、体全体が”ソラニン”や”サポニン”という毒でできています。
だから、牛とかが食べたりすると場合によっては中毒死する、なんてこともあります。
そんなこともあって、海外では、”Apple of Sodom”(ソドムのリンゴ)とか、”Devil's tomato” (悪魔のトマト)なんていう名前で呼ばれたりするそうです。
ワルナスビ(悪茄子)にしてみれば、ただいっしょうけんめい生きているだけなんですけどね。
ワルナスビ(悪茄子) ナス科ナス属の多年草 Solanum carolinense
生育地 牧草地やその周辺、荒地、道端
分 布 世界中
花 期 6月~9月
花 色 白もしくは薄い青色
植物一日一題
植物一日一題:牧野富太郎が、和漢洋の典籍を渉猟し、日本と中国の本草書を精査して明快に説く植物名と日本文化。(「MARC」データベースより)
ちなみにソラニンというのは、神経に作用する毒で、ジャガイモの芽にも含まれているのでご存じの方も多いと思います。
中毒すると溶血作用(赤血球の破壊)を引き起こして、頭痛、吐き気、胃炎、下痢、食欲減退などの症状が出ます。
成人の中毒量はおよそ 200~400 ミリグラム、小児の場合はその約10分の1程度と言われています。
まさかワルナスビ(悪茄子)を食べたりはしないでしょうけれど、日陰で保存していないジャガイモを食べたり、ジャガイモの皮を食べたりすると中毒します。気をつけましょうね。
ついでに、サポニン。
サポニンはコレステロールの吸収を抑制するなどの健康に役立つ側面も持っています。が、サポニンなどの界面活性アルカロイドは、口から多く摂取すると蕁麻疹(じんましん)を引き起こしたりします。
特に毒性の強いサポトキシンは、多くの植物に含まれていて、界面活性作用で細胞膜が破壊され、血液に入ると赤血球が破壊(溶血作用)されます。